2007年12月20日

ロイは自分の体を持たないがアーロンを守っている。アーロンに罵声を浴びせるが、彼を馬鹿にしたり脅したりする人間に牙を剥く。なぜなら守るために生まれてきたから。ロイはそのために生きている。


池のほとりをアーロンと歩いた。童顔なのに背が高い。足下には落ち葉がびっしりと敷き詰まっていて、歩くたびに乾いた音がする。道でないところを歩くので、たまに枯れ葉の中に靴が埋もれる。空は曇っていて、だからといって暗くなく、1枚めくれば日が射しそうな、明るい白色だ。なんとも空虚な、しかし希望にも満ちていると錯覚しそうな空だった。目的を持たず歩いていても、どこまでも行ける気がした。不意に哀しい気持ちになるのはなぜだろうか。きっと気づいているからだ。遠くに行くことができないことも、夜がもうじき始まるということも。「そろそろ引き返そうか。」といい声がする。不純物のない乾いた空気は、その声を真っ直ぐ耳に届ける。