2009年2月14日

借りて来た「タイムレスメロディ」を観た。監督/奥原浩志、主演/青柳拓次、市川実日子。3人が音楽を演奏するシーンがよかった。3人も、曲も、生き生きと瑞々しかった。物語の途中、楽器に触れたり演奏するシーンがあるたびに、…何と言えばいいのか、走り出したくなるというか、体中を力が駆け巡るというような、感覚を憶えた(…上手く言えない)。登場人物がそれぞれ、大袈裟なことをするでもない、自分やすこし周りのことを、丁寧にしている、大切にしているというような、その人のまとう空気が美しく思えた。そしてそれは映画の中だけのことではないということ(自分の人生においても同じということ)を、感じさせられた。これは、すぐ忘れてしまうことなのだけれど、大切なことなんだと思う。この映画はいい。観ている最中も、見終わったあとも、穏やかな気持ちが続いていた。映画を観ることの歓びを感じていた。



「いい学校を出るとか、大企業に就職するとか、そんな”豊かな人生”の神話は、この数年で完全に崩れた。
 代わりにはっきりしてきたのは、好きなものを選んでそれを大切にする、自分が決めたルールを黙って守り続けるといった、
 自分の中にスタンダードを持つことが、本当の心地よさの指針になるということだ。」




DVDのパッケージに書いてあった言葉だ。誰のものか分からないけれど、自分はこれに衝撃を受けた。まるで水を掴んでいるようだと思った。