2009年10月17日

表参道画廊+MUSEE F「開廊10周年記念展」を見た。画廊に向かう道は初めて通ったので、目新しく、色々なものを見ながら歩いた。高そうな家具屋や、トートバッグを売っている店、大きな家、新しそうな白い壁の家、綺麗な花が咲いている木がある家、古いアパート、すこし離れたところにある高いビルには、ガラス張りの部屋のなかにテーブルやソファが無造作に置かれているのが見えた(あの部屋は何なのだろう…)。ほとんど建物しか見ていない。そしてそのすべての中を覗いてみたいと思いながら歩いていた。画廊の近くの広場みたいなところで子供や大人たちが、とんがった黒い帽子を被っていたり、オレンジ色の何かの飾り付けをしていたり、ハロウィンを意識して何か賑やかにしていた。はじめは運動会をやっていると思ったのだけれど、帰りにまたそこを通ったら、門のところの小さな看板に「隣人まつり」と書いてあった。なんだか楽しそうだな、と、一瞬入ってみようかと思ったけれど、自分にはそれができない。ほかの人なら、すっと入っていけるのだろうか。


展覧会には17人の作品が並んでいて、部屋に入ってすぐに目にとまった絵を、たぶん森山晶さんのだ、と思って近づいたらやっぱりそうだった。地平線(水平線)の絵で、岩絵の具が照明に反応してちらちら光っていた。それはさながら空気のようにも思えたし、目が慣れないと見えない星のようにも思えた。この絵のタイトルがすきだった。