2009年12月5日

アルバイトの帰り、歩いて渋谷まで行き、ユーロスペースで「ポルノスター」を見た。今日から一週間、豊田利晃監督の特集で今まで作った映画を上映している。自分は豊田さんの「青い春」がすきで、この「ポルノスター」もずっと前から見たかったのだけれど、近所のレンタル屋には無くて、ずっと見られないままだった(見てもいないのに購入するには高額すぎる)。たまにそれを思い出しては、悔しい思いをしていた。今回の特集のことはたまたま知って、これは見なければいけない、しかも、映画館のスクリーンで見られるなんてことはもう無いかもしれない、と思った。失礼だけれど、たとえ映画の内容がどんなにつまらないとしても、見に行くと決めた。それでその内容はというと、うまくはぐらかすというか、結局のところ全部よく分からないのだけれど、なんかいいんだな。雰囲気が。とにかくこの監督は、スローモーションをよく使うと自分は思っていて、しかもその使い方が上手いと思う。今回のオープニングにも痺れた。映画が始まることの歓びを感じていた。主演している千原浩史がよかった。役者としても映画の中の役柄でも浮いていた(この映画は11年前のもので、このときの千原浩史は今の自分と同じ年くらいだと思う)。


もうすぐ豊田さんの新作が公開されるのだけれど、これも見に行く。たとえどんなに内容がつまらなくても見に行く監督はこのひとだけかもしれない。でも結局「青い春」も「ポルノスター」もおもしろかったのだけれど。「ナインソウルズ」はいまいちだった。「空中庭園」は見ていない。


余談だけれど、映画を見終わったあと、ロビーに出たら、俳優の渋川清彦(KEE)さんが居た。もしかしたら他にも役者さんが見に来てたかもしれない。渋川さんのプロフィールを見たら、「清彦」というのは本名で、「渋川」というのは故郷の地名らしい。自分の「シスイ」も故郷の名前だから、勝手に親近感を憶えた。


今日行ったユーロスペースの周りには、ラブホテルやライブハウスが多くあって、妙な人達がたくさん居た。自分はとにかく黙々と歩いた。ちなみに渋谷は嫌い(大嫌い)だ。用もなく行ったりは絶対にしない。その用事が他の街で済むのなら、たとえ遠くても渋谷ではない方の街に行く。新宿も嫌い(大嫌い)だ。週末、これらの街の帰りの電車は大体酒臭く、いらいらする。