ブランドンのこと
ブランドン
自分はそのとき小学生で家の中では毎日嫌なことが起こっていて、思い出さないようにしていたら思い出さなくなった。ただあの頃の空気は憶えていて、今のそれと違いもっと軽かった。もっと単純で、今では簡単にできるようなことができなかった。インターネットがあったのか知らないが、今ほどゴミ同然の情報はなかったはずだ。苛立つ人も少なかった。もっと空気が軽く、今でこそ不便だと思うようなことであふれていたが、不便なことはなかった。本当はない。なくても構わないものばかりだ。ゴミみたいな世界で生きている。ブランドンは死んだ。彼の死んだ家を見たときに、自分が憶えているあの頃の世界と同じ気がした。そして自分はその頃に戻りたいと思っている。
2010年7月24日
2010年7月13日
2010年7月3日
「寝る前にお話を考えているんだよ。」
「実在の人物に役があってお話を進める。」
「面白くなってきたら、同じ場面を毎日見る。」
「疲れているときはお話を考えられない。」
「紙には書きとめていない。」
「朝、電車のなか。」
「その腕の傷はどうした。」
「これは高校生のときのもので、今のわたしにはどうすることもできないのです。」
「トウキョウソナタの最後、入試のシーンでケンジが弾く曲は萌の朱雀にも使われていたかな。」
「八日市場の駅の近く、古いマンションがあって、自分はそれに忍び込んだことがある。」
「人はほとんど住んでいなかったけれど、2階の通路を歩いた。」
「ある部屋の窓には明かりがついていて、ああ誰か中に居るんだと、しばらくドアの前に立っていた。」
「あのマンションは取り壊されたかもしれない。」
「今にも雨が降りそうな空の色だ。」
「僕はあの空が何色で出来ているか知っている。」
「僕の長所は、あの空が何色で出来ているか知っていることです。」
「しばらく夜空を見ていない。」
「そうではなくて、星を見ていない。」
「今の部屋から見える空は小さい。」
「窓は大きいほうがいい。」
「実在の人物に役があってお話を進める。」
「面白くなってきたら、同じ場面を毎日見る。」
「疲れているときはお話を考えられない。」
「紙には書きとめていない。」
「朝、電車のなか。」
「その腕の傷はどうした。」
「これは高校生のときのもので、今のわたしにはどうすることもできないのです。」
「トウキョウソナタの最後、入試のシーンでケンジが弾く曲は萌の朱雀にも使われていたかな。」
「八日市場の駅の近く、古いマンションがあって、自分はそれに忍び込んだことがある。」
「人はほとんど住んでいなかったけれど、2階の通路を歩いた。」
「ある部屋の窓には明かりがついていて、ああ誰か中に居るんだと、しばらくドアの前に立っていた。」
「あのマンションは取り壊されたかもしれない。」
「今にも雨が降りそうな空の色だ。」
「僕はあの空が何色で出来ているか知っている。」
「僕の長所は、あの空が何色で出来ているか知っていることです。」
「しばらく夜空を見ていない。」
「そうではなくて、星を見ていない。」
「今の部屋から見える空は小さい。」
「窓は大きいほうがいい。」