2010年1月24日

昨日の日記に書いた大学の集まりのあと、何人かで中華料理屋で夕飯を食べ、その中のひとりと小一時間帰り道の途中で話した。こういう、夜の道ばたで思いもかけず誰かと長話になったとき、妙に自分のこれからのこととか考えたりする(話していて楽しいというのがあるときに限るかもしれないけれど)。未来があるかは知らないが、あるのならば全力で明るく照らしたい。そう思う。部屋に戻ったのが夜の1時くらいで、今日に備えて眠った。


水戸/水戸芸術館現代美術ギャラリー「Beuys in Japan ボイスがいた8日間」展。ボイスのことを自分はよく知らないで、この展覧会もHさんから薦められたから見に行こうと思ったのだけれど、間違いなく、見に行ってよかった。作品自体の量や、ボイスの思想、繰り出される言葉(「拡張された芸術概念」「人間はみな芸術家」など)にもほぼ初めて触れたから、強い印象を受けたけれど、それよりもむしろ、日本に居たボイスを捉えた映像(空港での様子、展示作業の風景、対話集会の模様、草月ホールでのパフォーマンス、日本を離れる前の会話など)に感動した。本当の記録、映像の力を見た。ボイスが日本に来た1984年は自分が生まれた年(正確には生まれる数ヶ月前)で、その1年半後にボイスは亡くなってしまうから、自分はボイスを知らない。自分の好きな画家の多くももう死んでしまっているから、自分は彼らを知らない。フィクションかもしれない彼らを知っているといえばそうなのだけれど。でも、この展覧会では、ボイスが話している内容と同じくらい、話すときの姿、声の大きさや話し方、身振り手振りがそのまま目の前で映し出されていることに感動しました。しかも、あんな芸術家は、いまは居ないじゃないですか。そのことの衝撃が、強かった。


水戸に行くときは実家から車で行くようにしている(茨城の道は走りやすいし、道中の景色、特に海際を走るときの景色が最高だから)。 ただ今日は寝不足で、運転するのがすこし怖かったので電車で行った。電車賃はかなりかかるけれど、事故を起こすよりはいいだろう。初めて電車から見る景色だし。水戸芸に着いたら、コンサートか舞台を見るための人たちがロビーにたくさん居て、チケット売場の前も混んでいた。自分より先に並んだおじさんの後ろに立って順番を待っていると、「ボイス見るの?」と横からおばさんに話し掛けられ、すこし驚いたあと「はい。」と答えた。「招待券あるからね、あげる。」とクシャクシャのチケットをくれた。何だかよく分からないうちに、それを受けとって、「ありがとうございます。」と3回くらい言ったと思う。うれしかった。前に居たおじさんはチケットを買ってしまった。