2012年4月17日

「ひとがそれによって何らかの自分らしさがつくられていると思っているものはいくつかあるが、
それが一つずつなくなっていってもそんなものはたいした問題ではなくて、
やっぱり自分は相変わらずだと感じるようにできているのだと思う。」


「まだ少しも恋人のようになっていなくて、
それなのに住んでいるところの駅まで行ってしまうなんて自分でもずいぶん子供っぽいことをしていると思ったけれど、
会いたいと思うとテレや決まり悪さよりもからだがそっちに向かうようにできているからしょうがない。」(保坂和志「草の上の朝食」)